雲取山へ行ったはなし

 この前、鬼怒沼に行くためにスノーシューを買ったので、できれば有効活用して行きたいと思い、どこか適当な場所はないかなあと考えていたところ、ニ月頃の雲取山なら、わりと雪がどっさりあるらしいという情報を得て、雲取へ行こうということになった。

 雲取ならば以前に一度登ったことがあるし、ついでに鬼滅の刃の炭治郎の出身が雲取だという話があったので、もう一度行っておきたいとも思っていたので、まあ丁度いいといえば丁度よかった。

 前回登ったときは、暑さにやられてほうほうの体でどうにかこうにか登りきったという感じで、登ったあとしばらくは、実は自分は登山には向いていないんじゃないかと落ち込んだりしていた。なので今回はリベンジをしたいという思いも少しあった。

 登山ルートは、前回と同じく今回も山梨県側の鴨沢登山道から上がって、雲取山荘で一泊し、埼玉県側の三峯神社へと降りるルートを取ることにした。これは、鴨沢はバスの便が少なくて帰りの足がやや心配だったことと、三峰行のバスは始発が遅くて登山の開始が遅くなることを嫌ったため。まあ三峯神社のある秩父側のほうが色々と馴染みがあるので、なんとなく地元に帰るような気分になるからというのも大きい。 

 登山口へのアクセスについてgooglemap先生に聞いてみると、奥多摩駅からバスに乗って、なぜか登山口最寄りの鴨沢バス停じゃなくてその手前にある留浦(とずら)バス停で降りて歩けという。

 調べてみると、鴨沢バス停には西東京バスの奥09、奥10の便しか停車しないが、数百メートル手前の留浦バス停には奥09、奥10に加えて奥12のうちの留浦経由の便も停車するらしい。自分の家から鴨沢登山道へは、奥多摩駅発の奥12に乗って留浦バス停で降りて鴨沢バス停まで歩くのが最も早いということらしい。なるほどgooglemap先生はかしこいな(googlemap先生、バス路線については認識してるところとしてないところがあるので、当てにならないことも多いのだけれど、今回は当てになる方だったらしい)。

 

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 今回実際に歩いたコース。

 

 そんなこんなで留浦バス停から歩いて鴨沢登山口まで到着。冬場はもともと登山する人が少ない上に、この日は平日だったせいもあり人気がほとんどなかった。

 

 ちなみにこれが前回、2018年秋の休日に来た時の登山口の様子。めちゃめちゃ人がいた。

 

 実は、電車を降りた時点でちょっとトイレが近かったのだけれど、バスの時間が迫っていたのでそのままバスに乗ってしまった。襲いくる便意と戦いつつ、どうにか増田にならずに登山口脇のトイレまでたどり着くことに成功。一息ついた。

 

 登山口のベンチで登山届を書いて提出。書いてる途中で猫がやってきて毛づくろいをはじめたので、手を伸ばしてちょっと撫でさせてもらった。

 

 さて、事前の情報では山頂付近は最低気温がマイナス10℃になる日もあるという話で、雪のある山にソロで行くのが初めてだったこともあり、大分防寒を厚めにしていたのだけれど、数日前からだいぶ暖かな日が続いており、登山口周辺の山々を見渡してもどこにも一欠片の雪も見えなかった。まあそれでも上に上がれば状況も変わってこようと一縷の望みを抱いて登山を開始したわけだけれども……。

 

 登り始めは住宅地の脇を抜けていく感じ。

 

 鴨沢ルート名物、将門伝説看板。モノローグと一枚め。ところで最初のモノローグはプロローグの間違いでは?

 

 少しの間舗装路を歩いて、

2枚めの将門看板が表れたところから、

ちゃんとした登山道が始まる。ここをしばらく歩くと、

再び車道と合流。ここには村営駐車場があって、

立派なトイレもある。

 で、これは余談なんだけど、実は前回雲取に来たときはさっきまでの登山道は台風の影響で通行止めになっていて、

みんなしてどうしたらいいんだって散々悩んだ。一応案内の地図は掲示されてたんだけど、これが微妙にわかりにくくて、そのせいで大勢で全然関係ない墓地に突っ込んだりして文字通り迷走してた。

 結局、登山口まで戻って山一つ向こうにある車道を歩いて行くしかないということがわかって、随分な遠回りをしてさっきの村営駐車場までたどり着いたという思い出があったりする。

 

 村営駐車場の付近には三枚めの将門看板。ここから車道を少し歩くと、

ちゃんとした?  登山道入口が現れる。

 

  たしか雲取山の標高と同じ2017年に作られた登山道入口の看板。

 

 こっちは前回登山した時の看板の様子。三色の雲が取れて確実にボロくなってきているのがわかる。よく見ると雲取山の文字も斜めになって落ちかかってるな……。

 

 ここからから先は右手の谷沿いにしばらく、ずっと、延々と、ひたすらこんな感じの道が続く。具体的には1時間半くらい。

 

 前回秋に来たときはこんな感じだった。2018年はものすごい猛暑の年で、秋になっても全然涼しくならなかったのを覚えている。

 

途中にある謎の廃屋。

 

 将門看板四。ここで洗濯した小袖を忘れて、

 五枚目でお茶を沸かして飲んで、

 六枚目では風呂に入ったりしてる。

 これがその風呂釜のあととされる岩。

 七枚目では胴鎧をおろして休憩。なんかのんきに休んでばっかだなこいつ。

 ところが八枚目で急展開。

 とまあ、看板を眺めながら歩いていると、このあたりから段々と上りがきつくなってくる。だいぶ歩いたしちょっと疲れてきたし、そろそろ半分くらい行ったかなと思ったところに現れる道案内の看板。そこには……、

 無情にもここはまだ全体の三分の一にすぎないと告げる紙がぶら下がっていた。

 ついでにこのあと上から降りてきた人とすれ違った際に、上の方にも雪はないよと告げられ余計に疲れたりした。

 ここまで、下山する人とは数人すれ違ったけど、自分以外に登ってる人は全然見掛けなかった。

 

 ここからややきつめの上りを歩いていくと、

七ツ石小屋に到着。

 特に休憩は必要でなかった(上りの途中でさんざん立ち止まって休憩してたから)ので、なんとなく一周して、水だけ補給して再出発。

  

 そういえば、ここの小屋には古くなった山梨百名山の柱が何本か置いてあった。ここの小屋の人が交換を担当しているんだろうか?

 

 七ツ石小屋から少し歩くと、水場が現れる。七ツ石小屋の水もここから引いている。七ツ石山の山頂に近い場所の割にはそれなりに水量があるように感じた。

 ここの水は片倉谷を流れて後山川と合流し、奥多摩湖へと注ぐらしい。

 

 水場を過ぎてからもきっつい上りをひいこら言いながら登っていくと尾根の上に出る。

 ところで、登りがきつく感じるのはほぼほぼ自分がペース配分というものを考えないで登ってるからで、それが証拠に他の人と一緒に登山するときはあんまりきついと思ったことがない。このときは一応は真冬だというのに夏みたいにダラダラ汗をかいてたので、相当無茶なペースで歩いてたんだろうなあと思う。

 

 尾根を少し歩いていくと九枚目の看板。ここはちょっと外伝的な内容で、七ツ石の地名の由来が書かれている。しかしこれだと二つとなりに六ツ石山があることの説明がつかない気がするんだよなあ……。

 

 で、その将門も参拝したと伝えられる七ツ石神社。

 

 神社からちょっとだけ登ると、

 七ツ石山に到着。

 前回も七ツ石山で相当バテたけど、今回もかなりバテた。やはり自分は登山に向いていないのでは?

 雲取に2回登ってみた感じとしては、この七ツ石山の手前と雲取山の山頂の手前にある小雲取山の登りがわりとしんどかった。逆に、この二ヶ所さえ抜けてしまえば、あとは大変なところはそんなにない。

 体感的には七ツ石山に登ったら全体の三分の二くらいまで来たと思ってもいいかなあという気がしている。

 

 雲取山登山ルートには七ツ石山の山頂を回避するものもあるけど、ここはとても眺めが良いのでせっかく来たなら登っておくのをおすすめしたい。写真右手の、ちょうど木の枝がかぶさっている山が今回の目的地の雲取山。長いように見えるけど、基本的にはあまりアップダウンのない尾根道なので此処から先はわりと楽。

 

 秋に登ってきたときはこんな感じだった。尾根の周辺だけ木がなくて逆モヒカン状になっているのは、山火事防止のために木を切ったかららしい。

 

 流石にくたびれたし少し腹も減った。風がちょっと強いので、風よけになりそうな窪地を見つけて休憩。昔からみんなここで休憩していたらしく、ここには錆びた空き缶がいくつもあった。昔の登山家、わりとマナーが悪い。逆に考えると「山をきれいに」というのは思った以上に最近の考え方なのかもしれない。

 

 山頂の石碑の影にこの日初めて雪を発見。

 うーん、この様子だとやっぱり雪は期待できなさそう。

 

 七ツ石山を過ぎてしばらく下ったところで最後の十枚めの看板とエピローグが。

 打ち切り漫画みたいな展開にやや唖然とする。

 やっぱり最初の看板のモノローグってプロローグの間違いだよなあ。

 

 なだらかな尾根道が続く。

 

 全体に春の陽気で、道の脇などに多少の残雪はあるものの、登山道で雪が残っていたと思しき場所は雪解けによって泥の海になっていた。歩きにくい。

 

 最近閉鎖になった奥多摩小屋。ここはキャンプ場でもあったのだけれど、小屋の閉鎖に伴いキャンプ場も閉鎖となってしまった。

 

 小屋が営業していたときにはここでキャンプをする人がたくさんいた。

 

 奥多摩小屋を過ぎてちょっと上がったところで、振り返って七ッ石山を見る。

 ここはちょっとしたピークになっているんだけど、地図を見た限り名前とかはついていないみたい。

 前回同じような場所で撮った写真。色とりどりのテントがあるあたりが奥多摩小屋。

 

 このあともうしばらく歩いて、小雲取山のキツめの急勾配をぬけると、

雲取山の頂上が見えてくる。

 

もう一息。

 

 頂上付近からの景色。前回来たときは曇ってしまってほとんど何も見えなかったので、今回は晴れてよかった。

 

 頂上付近にある避難小屋。

 

 中はこんな感じ。

 

 で、頂上。

 ここまでは特にアイゼンとかは不要だったのだけれど、ここから山の北側(埼玉県側)に入って雲取山荘へ向かおうとすると、

ガチガチに凍った雪に覆われていてアイゼンがないと身動きが取れない。

 

 軽アイゼンつけてちょっと進んで、雲取山荘に到着。

 

 ほとんど人気がない。

 

 この日の雲取山荘の宿泊客は自分含めて4組7人。鴨沢から上がってきたのが自分含めて2人のみ。残りは三峰からだった。そりゃ登ってる最中に人に会わないわけだ。宿泊客が少ないのでこの日は1人で1部屋の割当だった。前回は4人で1部屋だったのでえらい違いだ。

 

 せっかくなので天皇の足跡スタンプラリーもこなしておく。

 

 宿についたのが15時半くらいで、この時点ですでにめちゃくちゃ腹が減っていたのだけれど、夕食は18時からということで、空きっ腹を抱えながらストーブにあたって本を眺めたりして時間を潰していた。部屋のこたつに入っても良かったんだけど、そうするとそのまま寝落ちしてしまいそうだったので。

 夕食後は疲れてたので即寝る。

 

 翌日は三峯神社へ向けて出発。

 雪があったりなかったりなので、アイゼン二、三回つけたり外したり。いちいちリュックにしまうのも面倒なので、カラビナ通してリュックのストラップにじゃらじゃらとぶら下げてた。

 下りのルートでは下りのはずなのに白岩山に登らなくちゃいけないのがめんどくさいのと、お清平の手前の標高差がちょっとエグいので、ここ、降りるのはいいけど登るのはやだなあと感じた。それと登山道が埼玉クオリティで雑。

 鴨沢ルートのめちゃめちゃキレイに整備された道と比べると、とりあえず迷わないように看板立てて、あとはホントにきついとこだけ階段とか掛けておけば十分でしょっていう雑さがほんっとうに埼玉県だなあという感じがする。

 埼玉県、ここに限らず登山道というか道の概念がガバガバで、人間を猿の仲間か何かと勘違いしているんじゃないだろうかというような登山道が多い。逆に言うとアスレチック度が高いので歩いてて飽きないということでもあるのだけれど……。周辺自治体がみんなやってる山のグレーディングにも参加してないし……。

 

 雪はあるようなないような。

 

 すごく立派な霜柱があちこちにあって、そのせいで地表がめくれ上がっていた。

 

 こういうところはアイゼンつけて歩くと楽しい。

 

 前回来たときは霧の中を歩く感じだった。

 

 白岩山を過ぎたところにある白岩小屋。多分もう使われていなかったはず。

 

 入り口や中はこんな感じ。

 

 白岩小屋のあたりはちょっと見晴らしがよくて、西側の景色がよく見える。遠くの山はちょっとは雪があるけど、やっぱり全体に雪が少ない。

 

 

 前白岩の肩まで来ると、

 遠くの方に、

 ゴール地点の三峯神社の駐車場が見える。

 

 お清平。

 なんとなくだけど、個人的には炭治郎が一話で駆け回っていた山のイメージって、雲取山南東側の鴨沢ルートの明るい尾根道よりも、北側の三峰ルートの鬱蒼として暗い山道のほうがそれっぽいかなあという気がする。

 

 秩父宮命名の霧藻ヶ峰。

 

 ここも眺めが良い。

 

 特に疲れてもいないので山小屋はスルー。

 下りは霧藻ヶ峰をすぎると三峯神社までよく整備された道が続き(埼玉なのに!)、危ないようなところもなくなる。もしまだ物足りないという人は妙法ヶ岳の三峯神社奥宮へ行って見るのも面白いかも。今回はスルーしたけど、修験道ってこういうの好きだよねって感じの岩をよじ登ったところに奥宮があって、そこそこスリリングな登山が楽しめる。

 

 実際に昔ここで炭を焼いてた炭焼平。

 

 炭窯跡。

 

 上から見るとこう。

 

 炭治郎やその家族が実際に炭を焼く場面てそういえば出てこないよね。

 

 今回はスルーした妙法ヶ岳の三峯神社奥宮。

 ヤマノススメの原作でも出てきたので、興味がある人は行ってみるといいと思う。

 

 こんな感じのいかにも修験道が好きそうな道を通って、

そこそこ急な鎖場を登りきると、

奥宮がある。秩父宮はここにも来たことがあるらしい。皇族意外に根性があるな。尊崇の念が湧くわ。

 

 さて、無事に三峰登山口に到着。ところで登山口に、

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こんな看板が掲げてあったんですが、埼玉県民にとっては2000m級の山でさえ「こんな山」扱いらしい。埼玉県人、マジで自分の県には大した山なんてないと確信している可能性があるな?

 

 下山したら、ちょうどバスの時間だったんで、今回はそのまま帰っちゃったんだけど、三峰は三峯神社や三峰ビジターセンターなど見どころも多い。初めて行く人は色々見て回ると楽しいはず。

 

 

 

 

 

 ビジターセンターはこんな感じ。

 

 三峰神社もまあこんな感じで色々立派。オオカミを祀ってる神社なので、犬と一緒に来る人も多い。

 

 

おしまい。

ふじさんへ行った話

 ふじさんへ行ってきました。行きが須走ルートで帰りが吉田ルートです。詳しい話はDG-Lawさんのブログとかを読んでください(丸投げ)。

 

 

 今回はバスタ新宿から高速バスに乗り、御殿場駅で路線バスに乗り換えて須走口へ向かったのだけれど、御殿場駅では降車した場所と次に乗る路線バスのバス停が駅を挟んだ反対の所にあって、そのせいで乗り換えのバス停を探すのにしばらく右往左往した。あとになって考えると、事前にストリートビューでバス停の場所をチェックしておくべきであった。

 

 須走ルートのスタートとなる2000m地点、5合目の山小屋。ここでご飯を食べてから出発した。

 

 きのこクリームパスタ。きのこがでかい。これから登山することを考えてなのか、やや塩味が強め。

 ご飯を食べながら山小屋の人といくらか話をした。富士山の入山料について尋ねると「保全協力金(強調)」は「強制ではない(強調)」が、一人1000円であると教えてくれた。入山料ではないということは関係者にとってはそこそこ重要なポイントらしい。

 出発前に涼風さんが金剛杖を購入。あおいルート or ここなルートへと分岐するフラグを立てていた。

 

 関所で入山料の支払いや登山届の提出などのイベントをこなして出発。

 

 最初の方は普通の山道が続く。

 

 この日は雲が多かったせいで直射日光にはあまり当てられなかった。左手奥の三日月状の湖が山中湖らしい。

 

 6合目、2400m。登り始めて最初の山小屋。涼風さんの金剛杖への焼印イベント(1回300円くらい)が発生するので、山小屋では自動的に休憩となる。あとから考えると、こまめに小休止する理由ができてよかったかも。

 ここまでは半袖で登ってきたけれど、さすがにやや涼しくなってきたのでここで長袖とフリースを羽織る。

 

 まだまだ緑が続く。とはいえ足元はしっかり溶岩なので、火山を登っているんだなという感じがする。

 涼風さんの金剛杖が面白そうだったので、登山の途中で一度自分のストックと交換してもらった。普通のストックと違って持ち手が固定されていないので、状況に応じて自在に持ち手を変えられるのは使っていて面白い。普通のストックは滑らないようにグリップがしっかりしているけれど、金剛杖は逆に手の中で滑らせながら使うような感じがあった。登山用品として有用かどうかの判断はよくわからない(そもそもストックがちゃんと登山の役に立ってるのかよくわかってないので)けど、使ってて面白いアイテムだとは思う。

 

 本6合目、2700m。

 

 このあたりから霧が濃くなってきた。たぶん雲の中に突っ込んだんだと思う。やや雨っぽくなったので小休止してザックカバーや雨具を着けることにしたのだけれど、雨具を着け終わった途端に雨が止んだ。

 

 段々と植物が減っていく。

 

 斜面を平らに撮ってみるシリーズ。

 

 雲が切れて再び下界がよく見えるようになった。

 

 7合目、3090m。深呼吸をしたり口笛を吹いたりし始める高さ。

 3000mを超えたあたりから空気が薄くなるのがはっきりわかる。これ以上薄くなると頭痛が起きそうだなという感触もあった。いつもの調子で歩いているとすぐにバテてしまいそうで、相当に意識してペースを落とさなくてはならないなと感じた。そういう意味で、今回は初心者枠の涼風さんが坑道のカナリア全体のペースメーカーとしての役割を果たしてくれたのは非常にありがたかった。

 

 少し登って本7合目の山小屋の手前。ここから下を見ると、

 わりと近くに7合目の山小屋が見える。上昇負荷が強くなる空気が薄くなって高山病の症状が出やすくなる3000m付近からは、山小屋同士の距離が近くなる。

 

 本7合目、3200m。これまでに登ったことがあるのが2500mまでだったので、3000mを超える山に登ったときに高山病がどうなるか不安だった。ソロ登山でいきなりアルプスの高いところへ行ってしまって高山病でやられたりしらいろいろ悲惨だなあとの思いもあって、今回複数人で富士山に行って高山病の反応をテストできたのはよかった。(まあ、結果として自分は高山病の症状があまり出なかったわけだけれど)

 

 

 本7合目から少し上がったところ(とはいえ空気が薄いので少し上がるのがけっこう大変)にあるのが本日の宿泊地点、8合目、3350m。

 

 8合目の山小屋の様子。

 

 天皇も泊まったことがあるらしいが、ついこの前まで皇太子だったのでまだ表記の更新がされていない模様。通った道もプリンスルートと呼ばれているが、いずれはエンペラールートとかに改名するのだろうか。

 

 夕ご飯。食ったら寝る。

 

 山小屋は快適だったのだけれど、山小屋にたどり着くまでにあんまり疲れなかったせいか全然寝付けなかったのがちょっと困った。たぶん寝れたのは23時とかそのへんだったんじゃないかという気がする。起きたのが1時半ごろだったので2時間か3時間くらいしか寝れてないことになる。そのわりにあんまり疲労感も感じなかったのは初めての富士山でテンションが上がっていたせいかもしれない。

 普段労働(デスクワーク)してる日だと、18時くらいにはへとへとになって布団に入ればすぐ寝れるくらいには疲れるので、やはり労働は健康に悪い。

 そんなこんなで起きてから朝ごはんのお弁当を食べていたら頬付さんが合流したので2時頃に全員で出発。

 

 夜の撮影失敗シリーズ。

 朝(というか丑三つ時だけど)は星空もきれいだったし市街地の夜景も素晴らしかったので、夜景を撮影する方法を調べておけばよかったなと少し後悔した。道中の光の行列もちゃんと撮りたかった。

 暗い中をヘッドランプのみを頼りに歩くのが不安だったけれど、実際に歩いてみると、周りの人がみんな光源を身に着けているので、そんなに暗さを感じることはなかった。

 頂上の手前辺りにちょっとした岩場があったので、ついつい楽しくなって同行者のことを忘れてひたすら登ってしまった。

 

 日の出前の登山道。日が昇る前に頂上にたどり着けるかやや微妙な時間だったけれど、行列の進み方が意外と早く、結果的にそれなりの余裕を持って登頂することができた。

 

 鳥居をくぐればゴール。

 

 

 夜明け前の瑠璃色の空を見ると、なんとなくキャベツのことを思い出しませんか?

 

 この日は月の出が遅かった(有明月というのかな?)ので、はにはにどころか月を追いかけて日が昇ってくるような感じだった。

 

 場所取りをする人々。

 

 出た。

 

 とにかく人が多い。

 

 富士山の剣ヶ峯と測候所。

 

 一通り朝日を見たあとは火口の周りをぐるっと一周。

 頂上は流石にやや寒くて、止まっていると冷えてきそうな感じがあった。それと、高山病の症状なのか寝不足だからなのかわからないが、猛烈に眠くなってきた。富士山の頂上はあんまり長居するところじゃないと思う。

 火口のお鉢めぐりが終わったあたりで頬付さんの体調が思わしくなかったのでDGさんが付き添って先に下山することに。一方で涼風さんの方は足の疲労が極度に達していたので、こちらは自分が付き添ってゆっくり下山することになった。

 

 下山は吉田ルート。下山道は輸送用に改造されたブルドーザー用の道を兼ねていて、途中で数台のブルドーザーとすれ違った。

 物資を運搬するブルドーザーを見ながら、やはりキャタピラ付きのはたらく乗り物は転輪もついてるし、はたらくくるまの仲間だよなと思ったりした。しかし車輪で動くものは車という考え方で行くと、はたらくくるまカテゴリーに大量の電車が流入してくることは避けられない。はたらくくるま問題は意外と多方面に根が深いのかもしれない。

 下山途中に一度ショベルカーが通せんぼして登山道の整備を始めたことがあった。作業自体は五分ほどで終わったけど、このまま作業が終わらなかったらどうしようかと思った。

 涼風さんがブラックホール降着円盤をきちんと描写した放課後のプレアデスはSFアニメとしてもっと評価されるべきという話をしたので、自分はダイソン球をきちんと描写したふしぎ星の☆ふたご姫はSFアニメとしてもっと評価されるべきという話をした。

 

 ゴールの吉田ルート5合目。 

 下山道が吉田の登山ルートと合流するあたりからは平日にもかかわらずものすごい人出で、これは須走から登って正解だったなと思った。須走ルートは行きのバスから登山道から全てにおいてすいていて快適なのでみんなもっと須走ルートを使ったほうがいいと思う。

 この後バスで麓まで降りて(ここでもバス停を探すのにしばらく右往左往した)先行する二人と合流し、帰りに温泉に浸かってから帰宅した。

 帰りの電車でDGさんと中央線特急の指定席システムがいかに欺瞞に満ちているか、というようなことを話したりした。

 

おしまい。

プリティーリズムレインボーライブ見たよって話

激しいアニメだった。

キングオブプリズムSSSがTVで放送されるのと、おそらく今年のプリチャンのゲストとしてなる店長が出てくるだろうという予想からそれらの予習も含めて見たわけだけれど、嵐のようなアニメだった。

序盤からヤスリで黒板を磨くようなギスギスした展開の連続で、見ているこっちのメンタルがガリガリ削られていくので、最初の1クール目で3回くらい挫折した。

メインキャラクターの女の子6人のうち、主人公チームのなるとあん、それにライバルチームのおとはあたりはまあ一応女児アニメっぽいキャラクター(いやそもそも女児アニメっぽさってなんだ?)なんだけど、残りの3人がいろいろと家庭事情の業を背負ってるせいでぐんにゃりと性格がねじ曲がっている家庭事情組で、女児アニメ組に対して家庭事情組が必要以上にきつい当たり方をするという厳しい展開。お前らそれただの八つ当たりじゃないのかと。特に1クール目は家庭事情組の家庭事情があんまり詳らかにされないので見ている側としては彼女たちの行動がひたすら理不尽で不快なものにしか映らず、それをただ耐えるしかない。いやーつらい。

つらいつらい序盤を乗り越えると、少しずつ家庭事情組にも変化が現れて、女児アニメ組と和解を果たし、やがてはそれぞれの家庭事情を解決していくので、序盤を乗り越えればそれなりに安心して見られる。

まあ、それ以外にもサブキャラクターとして男子3人(内訳は家庭事情2人、男児アニメ1人)のごたごたや、プリズムショー運営側の人々の確執なんかもあったりして、徹頭徹尾人間関係って難しいねってアニメだったんだけど、見てて気づいたのは、これってプリパラ2期とわりと共通点や似ている部分が多いということ。むしろ、プリパラ2期はレインボーライブを元にしてレインボーライブとは別の解を求めようとした作品だったのではないかと思うようになった。

プリパラ2期がレインボーライブから直接影響を受けたと考えられる主な要素は次の5つ。

  • あろまとわかな
  • ふわりとおとは
  • 地下パラとプリズムストーン
  • セレパラとエーデルローズ
  • ひびきさまとべる、ヒロ、法月仁

順に見ていくと、まず、あろまとわかなはそれぞれ悪魔や猫といった(やや意地悪な性格の)役割を演じることで内気な本心を隠して他者と関係を構築しているという点で共通している(ついでに誕生日も6/6と6/5で1日違い)。両者とも親友との絶交と和解というエピソードを持っているのだけれど、その際に自分と親友が一緒に描かれた絵または一緒に写った写真を自分で破いて捨てることで絶交を意思を表明し、親友が破かれた絵または写真を探し出すことで和解につながるという共通点もある。

ふわりとおとはは両者ともに性格が度を越して斜め上にファンタジー。かつひびきさまやべるといったストーリーの中心となる悪役をサポートする役割をもっているという点で共通している。

地下パラ対セレパラの構図はプリズムストーン対エーデルローズから。これに気づいたのは終盤でプリズムショーの最中にすっ転ぶプリズムストーンのなるの姿が地下パラでデビューライブをしたときのガァルルの姿そのものだったことから。なるもガァルルもお互いにショーやライブに最も不向きな状態だったにもかかわらず、諦めずに最後までやり通す姿を見せることで観客の共感を得た。地下パラやプリズムストーンの目指すライブやショーが必ずしも芸術性や競技性を求めるものではないのに対して、セレパラやエーデルローズは純粋に芸術性や競技性を目的としてライブやショーをしているという点でそれぞれ共通している。

最後にひびきさまとべる、ヒロ、法月仁。プリパラ2期がレインボーライブの焼き直しとも取られかねないような要素を並べて話を作ったのは、全てはひびきさまというキャラクターを描くことで、法月仁(に相当するキャラクター)を救済しようとしたためなのではないかと思う。レインボーライブにおいて、その歪みの原因を視聴者が共感できる形できちんと解き明かされず、贖罪や救済の機会が与えられなかったのは法月仁だけなので(まあそのおかげで続編のキングオブプリズムからSSSに至るまで愛すべき悪役として活躍しているわけでもあるのだけれど)。

レインボーライブにおいて法月仁はラスボスになり損なったキャラクターである。彼は主人公たちとは世代と性別を異にするために直接対決できず、さらにはジュネのもたらした世界の危機によって物語の中心に居続けることもできず、中途半端な状態で物語の外に放り出されてしまった。そこで、法月仁にべるやヒロの要素を混ぜて彼の世代と性別を主人公たちと直接対決できる程度には近しいものにし、なおかつ彼自身に世界の危機を引き起こさせることで最後まで物語の中心に据えたものがプリパラ2期だったのかもしれない。

ひびきさまのイガイガムシは最後はガァルルが引き受けた。ガァルルはセレパラと地下パラの関係から考えると、レインボーライブの主人公のなるに相当する役割を持ったキャラクターなので、プリパラ2期をレインボーライブの別解としてみると、最後はなるが仁の歪みを全力で受け止めたことになるのかなあと思ったりもする。

まあ、プリパラとレインボーライブしか見てないで考えたものなので、レインボーライブ自体もオーロラドリームやディアマイフューチャーを参照している麺があるのかもしれないけれど。

実はあじみ先生に相当するキャラクターがレインボーライブにいないかと思って探したんだけど、プリパラ2期の新キャラのうち、あれだけは該当するものがないみたいだった。

 

そういえばキンプリのおかげで「オバレの結成まででいいからレインボーライブを見て」という言い回しを覚えた。

プリパラ未見の人はエヴァーゴールド結成まででいいからプリパラを見てください。

 

おまけ、四谷信金は宝くじ売り場になっていた。

両神山行った話

 坂本から両神山を経て日向大谷まで歩いたけど、久々にしんどかった。主に精神的に。

 今回の標準コースタイムは約7時間半。なので、下山があまり遅くならないように、西武秩父駅から7時に出るバスに乗って8時15分にスタート地点である坂本バス停につくようにしたい。そのためには池袋から5時に出る電車に乗ればいいのだけれど、ここで問題が一つ。自分の部屋から池袋に朝の5時までに着く公共交通機関がない。

 というわけで、今回は埼玉の実家に泊まって、朝一で最寄り駅まで送ってもらい、そこから秩父へ向かうことにした。

 

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GPSのログ。今回、GPSが荒ぶってたのであんまり参考にならない。

 

 坂本から八丁峠までの坂本ルートは、かつてはたしかに道だったのだろうけど、今はほんとに道なんだろうかってくらいの道。沢沿いをずっと歩いていくのだけれど、大雨が降るたびにあちこち土砂崩れしているみたいで、もとの道がほとんど残ってない。さらにそのせいで歩く人もほとんどいないので、どこが道なのかとても判りにくいという凄まじいルートだった。案内板も半分以上倒れているし、頼りになるのは道しるべとして残されたピンクテープと、持ってきた地図とコンパスのみ。頼みのピンクテープ先輩も所々で力尽きて地に落ちていた。飯能アルプスでコンパスの練習しといてよかった。

 八丁峠から東岳までの間の八丁尾根は、断崖絶壁落ちたら死って感じの鎖場をひたすら登り降りする岩尾根なのだけれど、そこを登ってる最中に段々と雲行きが怪しくなっていって、遠くには雷の音も聞こえるし、小雨はぱらついてくるしでめちゃめちゃこわかった。もしここで大雨になった場合、下手に移動したら濡れた岩場で滑って墜落死だし、留まった場合は雨に体温を奪われて、暗くなって身動きも取れなくなって低体温症で死だろうなあとかずっと考えてた。

 幸い雨は小雨のまますぐに止んだけど、ああいう場合に備えた対処もちゃんと考えないとかなあ。レインウェアだけ持ってても大雨で身動きが取れないような場合には仕様がないし。

 後で他の人が登山したブログなんかも見てみたら、八丁尾根で雨に振られるのはわりとよくあることらしい。さらには積雪期にあそこを登るような人もいるらしいので、雨が降ってもわりとどうにかなるものなのかも。とはいえやっぱり怖いもんは怖い。

 まあそれを抜きにしても鎖場ラッシュ(30ヶ所くらいあったらしい)は体力的にも結構ハードで、一度は登ってる途中に足がつってしまってどうしようかと思った。登りきってすぐに薬飲んだので事なきを得たけど(足がつるのには芍薬甘草湯って薬がきくと聞いて、最近は山に行く時には常に持っていってる)。最後の方は疲れてきて、気を抜くと集中力が切れそうだったので「気を抜いたら死ぬぞ」「さんてんしじさんてんしじさんてんしじ」と念じながらどうにか気合で登りきった。

 東岳から先、両神山頂を経て日向大谷の登山口まではだいたい土に木が生えた普通の山だったので、普通の素晴らしさに感謝の思いを抱きつつ下山した。

 時間に余裕があれば山頂でラーメンとか作って食べたいところだったんだけど、山頂についた時点でコースタイムから1時間半くらい遅れていたので、今回の食事は途中でサラミソーセージをおかずに羊羹を食べるだけに省略。下りの行程で巻き返しを図ってどうにかコースタイムから1時間遅れの8時間半でゴールできた。

 普通の山だと休憩込みでコースタイムちょうどくらいのペースなんだけど、登山ガチ勢の多いルートだと、そもそもコースタイムの基準が高かったりして、なかなかコースタイム通りに登るというのが難しくなってくる。

 でもまあ、筋力と体力がないから上りはぱっとしないけど、ダウンヒルなら負けないぜ(自慢にならない)。

 

秩父駅で坂本ゆきのバス待ち。思えばこの時点ですでに雲行きが怪しかった。

 

8:15、坂本バス停到着。バスの運転手さんが気を利かせて二子山の登山口の方にバスをつけてくれた。けどゴメンね、今日はそっちじゃないんだ。

 

坂本コース登山口。一部不明箇所とは一体。

 

坂本コースの看板はだいたいみんな死んでた。

 

道標のピンクテープもよく死んでた。

 

坂本コースは基本的に沢沿いの道。道はわからないけど遭難することはまずない。

 

 左手の斜面はおそらくかつて登山道だったところ。

 

どこもかしこも多かれ少なかれ土砂崩れの跡がある。むしろなぜここを安定した登山道にできると思った?

 

砂防ダムその1。

 

砂防ダムその2。

 

砂防ダムその3。

現在でもこれだけあちこち土砂崩れしているということは、砂防ダムができる以前の様子は推して知るべしである。

 

正面が両神山。U字状にえぐれてるところをこれから降りたり登ったりする。

 

11:40八丁峠。坂本コースでさんざん道に迷ったので、この時点ですでに予定より40分以上遅れてる。

 

八丁峠から先は岩がちな尾根道。

 

眺めはいいけど天気がだんだん不穏になってくる。

 

鎖場ラッシュの始まり。

 

最初は全部の鎖場の写真を撮ろうと思ってたけど、途中で飽きた。

 

12:25行蔵峠。このへんの地名は何故か地図に載ってないんだよな。

 

 

進んでも進んでも鎖。

 

12:37西岳。このころには遠雷が聞こえてた気がする。

 

  

あとから写真で見ると結構な崖だったりするんだけど、登ってる最中はそんなことを気にしてる余裕はないので、わりとスイスイ登れる。

 

龍頭(りょうかみ)神社奥宮。ここから麓の里宮までの間には、尾ノ内沢ルートというのがあるらしい。龍頭神社では両神山のことを八日見(ようかみ)山と呼ぶそうな。

これとは別に両神神社もちゃんとある。

両神山、信仰の山過ぎて神社が混線してる感が無きにしもあらず。

 

ここは鎖を無視して岩の上にまたがって四つん這いで進むほうが楽だった。

 

山梨県方面の眺め。

 

休日だったせいもあって、人は結構たくさんいた。

このあたり、雨もポツポツしてきて気持ちも大分焦ってきたせいで写真が少ない。

 

14:00東岳。まだ東岳かーと思っていたのだけれど……、

 

東岳からは土の山で鎖場もほとんど無い。実家のような安心感で歩ける。

 

 

てことで、14:40に山頂到着。コースタイムをもとにした予定では13:20ごろには山頂につく事になってたので、ざっと1:20の遅れ。

 

山頂の眺め。雲の動きが速い。

 

晴れ間も覗いてきた、かなぁ?

 

東岳までと比べると格段にかわいい鎖場。

 

 

 

両神神社。ここは神様も存在を試される山。

 

登山者へのホスピタリティを感じる。

 

テント場もある立派な山小屋、清滝小屋。こんなに立派なのに管理人不在で避難小屋としてしか使われていない。

 

清滝小屋から先はこんな感じの道が延々と続く。楽だけど単調でちょっと飽きる。意外なことにこの道で足滑らせて落ちて死んだ人が何人か居るらしい。

 

17:00過ぎに日向大谷登山口到着。16:00着の予定だったので、1時間の遅れ。

 

帰りのバス。めちゃめちゃ混んでた。

 

 

飯能アルプスを歩いたはなし

 天覧山から伊豆ヶ岳に至るまでの飯能アルプスを3回に分けて歩いたのでそのときのはなし。

 

1回目:天覧山から天覚山まで

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 飯能アルプスとかぶっちゃけ丘だし、飯能駅から子の権現まで歩くのだって余裕っしょくらいの気持ちで行ったのが去年の夏。一回目の飯能アルプスだった。

 まあ、心意気はともかくとしても、行ったのが8月下旬というのがまずかった。ヤマノススメの2期でひなたたちが夏休み中で無限に時間があるにもかかわらず、不自然なほどに地元の山を避けていた理由がわかりますか? そう、夏の埼玉はクソみたいに暑いのです。

 結果として暑さにやられて途中で2回くらい死んで、なんとか天覚山まではたどり着いたものの、そこでリタイヤという結果になった。

 これの前の二子山でも、この後に登った雲取山でも暑さでバテてたので、この時期はわりと本気で自分は登山に向いてないんじゃないかと悩んでいた。

 雲取を登ってる途中辺りで、どうも自分がバテるのは汗をかきやすい体質なのに水ばかり飲んでいるせいではないかと気づいて、それ以降、行動中は意識的にスポーツドリンクを飲むようにしたらあまりバテることがなくなった。

 一応このときは目的として、真夏になるべく疲れないように歩く方法を探るってのと、バーナー買ったのでそれを使ってみるというのがあったので、そのへんはそれなりに達成できた気がするから(今になって考えれば)良かったのかなあとも思う。

 

例のごとく飯能駅からスタート。

 

日常に忍び寄るアイマスの手。

 

ついでなのですずきの前を通って、

 

天覚山から登り始める。

 

とうのす(なぜかとうのすでは変換できない)山についたのが9時過ぎくらい。この時点で30℃。多峯主山を降りる途中あたりで一回バテた。

 

多峯主山山頂の眺め。西武は山を切り開いて街を作ってきたんだなあという気持ちになる。

 

飯能アルプス、ゴルフ場の脇とか民家の脇とか通っていくので、ハイキングという感じでもないし登山という感じでもあんまりない。

 

ねんがんのカレーめん。

 

なんとか天覚山まではたどり着くも、体力的に無理だったので、今回はここで撤退。子の権現は遠かった。

 

天覚山の山頂のすぐ下はちょっとした広場になっている。昔は神社があったのだとか。

 

帰りの駅でユガテってなんだろうをやってきた。

 

2回目:伊豆ヶ岳から子の権現まで

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 1月に、どっか行きたいけど適当に近場でちゃちゃっと登れる山でもないかなと思って色々見てて、ここならまあ雪が積もってたりすることもないだろうし子の権現巡礼にもなるし丁度いいかってことで行ってみたルート。

 伊豆ヶ岳にハードでロックな岩登りルート(非推奨ルート)があって思いの外楽しめる登山だった。

 登ったのがぎりぎり初詣シーズンだったのもあって、子の権現で鐘を撞く参拝者が多く、登山中にも時折鐘の音が聞こえてきた。ゴール地点を音で知る登山というのもなかなか珍しい体験だったと思う。

 

この日は正丸駅からスタート。正丸という駅名は近くの正丸峠からつけられたもの。一説には、昔、正丸という人が母親を背負って峠越えをしたことから正丸峠というらしい。

 

登山道入り口。

 

前回と違ってわりあいちゃんと山なので、そこそこ眺めはいい。

 

みんな無視してどんどん進んでたけど、一応非推奨ルートになってる鎖場。

 

まあ自分も登るわけだけど。ここは二子山より怖かった。

 

登りきると流石に眺めがいい。

 

鎖場からちょっと進むとでかい岩があって道が途切れているのだけれど、実はこの岩が道で、よじ登るのが正解(あとから来た人に教えてもらった)。

 

肝心の伊豆ヶ岳そのものはそんなに眺めが良くない。

 

うなぎ(龍神)を食べてはいけない。

 

天目指峠は登山道と一般道が交差しているのだけれど、ここには立派な記念碑があって、当時は重要な道路だったことを忍ばせる。

 

子の権現へ向かう並木道。埼玉県なので当然階段は崩落している。

 

子の権現。自転車で参拝に来ている人が結構いた。

 

例のわらじとか下駄とか。

 

裏手からの眺めがいい。条件が良ければスカイツリーも見えるとか。

 

3回目:天覚山から子の権現まで

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 2月の中旬に行ってきた。このルートを最後に回したのはいくつか理由があって、一つにはあんまり歩いて面白そうじゃないなっていうのと、もう一つには国土地理院の地図にルートの記載がなかったので、なんとなくちゃんと行けるのかどうか半信半疑だったっていうのがある。ルートの記載がないってことは、あんまり道が整備されてないということも考えられるので、行くとしたらある程度準備して、地図とコンパスの使い方の練習がてらに行く感じになるかなって。

 ところで、一人で山登ってるときに、自分とほぼ同じペースだけどちょっとだけ遅い人とかグループとかがいたりすると緊張しませんか? 私は緊張します。追い抜いた直後になにか取り出したりする用があってでザックをおろして小休止している間に抜き返されたり、それをあとからまた追い抜いたりするの、なんか微妙に気まずくて苦手。競争してるわけじゃないんだけど競争っぽくなっちゃうし。(自意識過剰)

 この日は気温は結構高めで、歩き出してしばらくしてからフリースとセーターを脱いだのだけれど、風もかなりあったので、歩いている間はともかく、立ち止まると一気に冷える感じだった。ウインドブレーカー代わりにカッパを着ていって正解だった。

 そういえば去年高尾山や武甲山行ったときはまだ普通の靴で歩いてたんで、最後のほうは足の裏がめちゃめちゃ痛くなってたんだけど、今の登山靴にしてからは足が痛くなるってことがなくなったなあってことを不意に思ったりした。普通の靴だと6時間以上歩くと結構足がしんどかったような記憶があるけど、登山靴だと6時間程度ではまだまだ余裕でガンガン歩ける感じがある。

 

東吾野からスタート。

 

とりあえず天覚山から。

 

だいたいこんな感じの道が延々と続く。

 

芸術点が高い。

 

この看板が見えてきたら道を間違えたという証拠なので引き返しましょう(このまま直進して思いっきり迷った)。

 

さっきの発破の看板は石灰をとってる鉱山のもの。

 

いい加減歩くのも飽きたなと思ったあたりで唐突に子の権現の駐車場に出てゴール。

 

余談:ここなちゃんかわいいよね

 

 最近は山に行くときは地理院地図を印刷したものを持って、スマホにヤマップの地図を入れて行くことにしている。ヤマップではヤマノススメとコラボして巡礼マップを提供しているので今回はそれを利用した。地理院地図のほうは1月の上旬に印刷した時点では飯能アルプスは道として記載されていなかったので、ヤマップの地図を参考に自分で赤ペンでルートを描いていった。

 ところが、後日改めて地理院地図を見てみると、今度は飯能アルプスのルートがちゃんと地図に記載されていた。いつ更新されたんだろうと思って更新記録を調べてみたら、1/24にビッグデータをもとにした修正がされていたという次第。

mag.yamap.com

 そもそもヤマップは事前にDLした地図とスマホGPSを利用してオフラインでも自分の位置や軌跡がわかるようになるアプリで、この軌跡のデータがビッグデータとして国土地理院に提供されている。

mag.yamap.com

www.gsi.go.jp

ヤマップの中の人はここなちゃん推し。

つまり、

ここなちゃんが可愛い

ここなちゃん推しなヤマップがヤマノススメとコラボする

ここなちゃんを崇拝する登山者が大挙して巡礼ルートを巡る

ここなちゃん巡礼路がビッグデータとして国土地理院に渡される


ここなちゃんの可愛さが地理院地図に記載される

ということ。

 

 

あけましておめでとうございます

 昨年は山に登ろうという目標を漠然と掲げたら、思った以上にあちこち行けたので、今年もそれなりに山に登りたい。

 まずは筑波山。ロープウェイの夜間運行が2/24までらしいので、できればそれまでに一回行きたい。

 去年は武甲、三峰を始めとして、秩父地方をだいぶ登ったので、今年は久々に両神にも行ってみようと思う。その後は群馬方面を開拓したいけど、車がないとなんだかんだで結構アクセスの難しいところが多いのが課題。

 去年の夏は血迷って低山に登ってしまってひどい目にあったので、夏はおとなしく高い山に行く。せっかくなので富士山に一度行ってみるつもり。あと南アルプスのどこかに登ってみたい。

 あと、自転車が全然乗れてなかったので、少しまた自転車の方も乗るようにしようと思う。これは実家に行くときにでも。

 今年はハイクが3月で終わってしまうので、インターネットでの身の振り方を少し考えないといけない。ハイク、限界集落的な規模感ではてブの楽屋みたいな使い方ができてわりと好きだったんだけど、ツイッターに全面移行をせざるを得ないのかなあ。

 今年もよろしくおねがいします。

プリパラのはなし

 最初に、この文章はほぼ記憶のみで書いているので、勘違いしているところや記憶違いのところがあるかも。

 

 新年なのでなんか書き物したい気分。

 前々から書きたいと思ってたプリパラについてなにか書きたいけど、プリパラ好きすぎて何を書いたらいいのかさっぱりわからない。

 とりあえず好きなキャラを思いつくままに挙げてみると、めが姉ぇ、ガァルル、レオナ。ほかにはジュリィ、みちるとか、そのあたり。カップル単位ではレオそふぃ、アサみち、ガァラしゅうが好き。

 みちるは顔と髪型が最高に好み。男プリスピンオフ作ってその中でアサヒと付き合ってほしい。ストーリー的には35話が最高すぎた。「みちるならばできると信じてひたすら待ち続けたミーチル」という要素の追加によって、これまでのミーチルのギャグっぽい行動のすべてが泣き要素に変換されるという、もうこれが最終回でいいんじゃないかなというレベル。

 みちるは、あろまのこじらせた自我の犠牲者でもあったけれど、最終的にはあろまを現実につなぎ留める良きメンターへと成長を遂げたキャラだと思う。ガァララを諭したガァルルといい、あろまを叱ったみちるといい、あろまの周りのキャラはママ力が高すぎる。

 ジュリィはおっきくなってもらぁらのことをママって呼ぶのがいいよね。

 他のキャラでは、めが姉ぇ、ガァルル、レオナの三人は、みんながアイドルになれるはずのプリパラにおいても本来アイドルになれない存在であること、それにも関わらずアイドルになりたいという強い望みをもち、結果としてアイドルとして舞台に立ったというところで共通していると思う。

 なんか今書いてて初めて自分がこの三人を好きな理由がなんとなくわかった気がする。この三人についてもう少し書きたい。

 

めが姉ぇのはなし


 まず、めが姉ぇ。最初は親切な受付のお姉さんかと思わせておいて、物語が進むにつれてだんだんと視聴者を不気味の谷へと突き落とすシステムの代理人。筐体で唯一、一枚のトモチケでいくらでも呼び出せる量産キャラ。歩く中国語の部屋綾波レイに豊かなコミュニケーション能力を与えて感情を抜いた感じのキャラクター。一匹見かけたら千匹はいる、プリパラのエージェントスミス。BLAME!で言えばセーフガード。メガネが本体。

 彼女(達)はプリパラのシステムが乗っ取られてセレパラに書き換えられたときに、一緒に書き換えられて黒めが姉ぇになったりもしたのだけれど、そのときにまさかのアイドルデビューを果たした。

 このときのメイキングドラマで増えていくめが姉ぇが最高なんだけど、ライブで歌うめが姉ぇを客席からサイリウムを振って応援するめが姉ぇ達もめっちゃ楽しそうで好き。

 歌の中でめが姉ぇは、システムである自分がアイドルとして歌うことの喜びを歌い、説明のできない様々な感情について歌い、心や愛を持ちたいという夢を歌った。この歌の歌詞を読んだとき、はじめてめが姉ぇにも感情と呼べるものがあったのかもしれないと気付かされた。

 ちょっと余談。めが姉ぇのブランドはプリズムストーンだけど、これってもともとコスモさんの着ているものの流用だから、サイリウムチェンジ後がわりとセクシーな格好なんだよね。悪くはないけどめが姉ぇっぽくもうちょいかっちりした感じのサイリウムコーデも見たかった気がする。

 めが姉ぇが歌った前後のストーリーでは、めが姉ぇがセレパラのシステムの執行者としてわりと血も涙もない冷血マシーンぶりを発揮していた(いつものことと言えばいつものことだけど)だけに、この歌の歌詞とのギャップは激しかった。

 プリパラのセレパラへの書き換えはかなり強引に行われたため、後にはプリパラのシステムそのものが崩壊の危機に直面するのだけれど、もしかしたらめが姉ぇが微かに抱いていたアイドルへの夢は、エラーまみれで壊れかけたセレパラでなければ実現できなかったものなのかもしれない。むしろめが姉ぇ自身が崩壊しかかったシステムの状況を積極的に利用してアイドルデビューした可能性さえある(ひびき様があえてめが姉ぇをアイドルとしてステージに上げる理由は無いから)。そう考えると、めが姉ぇはガァルルやレオナ以上に困難な状況からアイドルにデビューしたとも言える。ひびき様プリパラ壊してくれてありがとう。

 というかそもそもプリパラは人間の女の子以外のシステム由来の存在に対して厳しすぎる。お前は数値海岸かってレベル。アイドルをスカウトできなかったマスコットは強制的に墓場送りにされるわ、ディアスポラの孤児のように自然発生したボーカルドールは友達作った時点でフリーズするわ、システムを管理してるはずの女神さえシステムに違反すれば容赦なく消去させられそうになるわ、夜勤専門で万年単位でワンオペさせられる精霊(あまりの待遇の酷さに職場放棄した)はいるわで、あまりにも人間中心の設計すぎる。

 まあ、めが姉ぇに関してはメカ姉ぇという前例を見る限り、引退後にわりとフリーダムな生活が約束されてそうな気もするのだけれど。

 それはそれとして、セレパラ後のめが姉ぇはわりと積極的にシステムの隙間をついてアイドルのために便宜を図るようになった気がする。以前の四角四面な態度から比べると融通がきくようになった感じがするし、ただのシステムだっためが姉ぇに少し人格らしきものが生まれつつあるようにも見える。好き。トライアングルの結成に手を貸したり、ちあ子の夢の実現のためにゴザを貸したりするような姿は、以前ならば想像しにくかったと思う(2期のそふぃの神アイドルチャレンジライブのときはできるかどうか確認取りに行ってたし)(らぁらたちに通行人のPOPを貸しちゃうようなお茶目な面もあったけど)。

 特にアイドルタイムになってからのパパラ宿のめが姉ぇは感情という概念を理解しつつある人工知能っぽさがあって最高に好き。マイドリーム結成のときなんかチーム名が決まっていないことに対して戸惑うというすごく人間らしい反応を返していたし、アイドルタイム終盤のめが姉ぇにはもう完全に人格が発生していた気がする。個人的には人格の発生しためが姉ぇの協力無くしてはパパラ宿のプリパラの復興は成し遂げられなかったと思うんですよね(強弁)。

 長門有希その他で人格の発生したAIとか感情の薄いキャラクターとかが好きだった自分としては、めが姉ぇは必然的に好きにならざるを得ないキャラクターであった(AIのアイデンティティー確立って意味では一期のファルルも好き。おねむのファルルに魅了された人たちの気持ちも分かる)。

 

ガァルルのはなし


 次、ガァルル。ガァルルはプリパラでうまく行かなかった女の子たちの思いが集まって自然発生した、いわば生まれつき最もアイドルに向いていないキャラクター。

 ガァルルがすごいのは、2期の最後でひびきのイガイガを飲み込んでしまうところだと思う。もともとイガイガのせいで歌もダンスも全然だったガァルルが、曲がりなりにもアイドルとしてデビューできるくらいにまで成長したあとで、再びイガイガを引き受けようとするその覚悟は相当のものだと思う。その代償として、ガァルルはこれまで成長してきた姿を失い、最初のころの小さな姿に戻ってしまったわけだけど。

 なぜガァルルはそんなことをしようとしたのだろう。イガイガはプリパラに発生したシステムの歪みのようなもの。ひびきのイガイガはセレパラをシステムの異物としてプリパラが排除しようとした結果生まれたものだ。

 ひびきがセレパラを作ったのは、一つには自分の理想のプリパラを作るため、もう一つには嘘にまみれた人間の世界から離れてボーカルドールに転生するためだった。

 セレパラの崩壊によってひびきの望みはいずれも絶たれた。セレパラの残骸でもあるあのイガイガはひびきの挫折の象徴とも呼べるものなのだ。

 こうしてみると、ひびきのイガイガが生まれた経緯はガァルルが生まれた経緯と非常に近しいことがわかる。ひびきのイガイガを飲み込もうとしたとき、ガァルルは自らの存在理由をプリパラで挫折した女の子の悲しみを受け止めることに見出したのかもしれない。

 何も持たないけれども人間関係にめぐまれたガァルルと、あらゆるものを持っていたがために却って上っ面の人間関係しか築いてこれなかったひびきというのもわりと対象的なキャラクター配置だったなあと思う。

 2期って、セレパラ成立あたりまでは何をやっても怪盗ジーニアスに御破産にされちゃう徒労感が強くてわりと苦手な話だったのと、ひびきの悲劇も今ひとつ共感しきれないところがあって、通り一遍な見方しかしてなかったけど、いずれそのうちちゃんと見直したいと思う。

 

レオナのはなし


 レオナについて、まずレオナは見た目も性格も女の子のようだけれども実際は男性のキャラクター。プリパラ内ではほぼ女の子と同じように過ごしているけれども、プリパラの外の現実世界では男性として生活しようと努めているフシがある。(レオナはプリパラ内ではいつもスカートを履いているけれど、プリパラの外ではズボンしか履かないという設定がある。)(性的指向についてはめが兄ぃに好意を持っているらしい様子が描写される一方で、そふぃとの仲もまんざらではなさそうなので、わりと中性寄りなのかもしれない。)

 本来プリパラは女の子専用の空間なのだけれど、それにもかかわらず、おそらくはプリパラに対する思いの強さによってプリパラへの入場許可証であるプリチケがプリパラのシステムによって与えられ、プリパラの中で女の子のアイドルたちに混じってアイドルとして活動を続けている。

 ちょっと余談。女の子にプリチケが届くのは初潮が来たタイミングであるという説があるけれど、仮にその説に従うとレオナにプリチケが届いたのは精通後ってことになる。プリチケが届いた直後からヒゲが伸び始め、声も変わりはじめるというのはアイデンティティがいろいろクライシスすぎるのではないだろうか(別アニメだけど、リリィなんかヒゲが生えてきたのがショックで死んじゃったくらいだし)。

 容姿に関しては、みあの例もあるのでプリパラの中では自分の理想の姿でいられるはずだけど、日々体が成長していくに従って、プリパラの中での自分の理想の姿と現実世界での自分の姿がどんどん乖離していくというのは、わりと恐ろしい事態だと思う。それこそ接続された女状態になりかねない。

 話を戻して、レオナの性格は、周囲に流されやすく一見すると優柔不断に見えるけれども、自分の信念に関わることについては頑として譲らない芯の強さを持っている。普段は姉の意見に唯々諾々と従っているけれど、本当に大事な場面では絶対に自分の意見を曲げることがない。

 レオナというキャラクターがいいのは本人が男なのに可愛いというギャップもあるけれど、それ以上にレオナの周囲の人々がレオナを自然に受け入れてくれているところだと思う。レオナの家族もそうだし、ソラミの三人やシオンも男であるという事実を知らされたときには驚きこそするものの、その後は以前と変わりなく接している。レオナは自らのジェンダーアイデンティティを自らに問わねばならないほどに性に関して追い詰められることはない。

 プリパラには(現実以上に)いろんな人がいて、いちいちツッコミを入れていたら追いつかないというのもあるし、プリパラ自体のアジール(聖域)的な性格がそうさせているのかもしれない。

 レオナ自身が自分のジェンダーアイデンティティにどう向き合っているかは劇中では描かれることが少なかった。ひびき様からどうして女性の格好をしているのかと問われた際に「あるがままです」と答えたのが唯一だろうと思う。

 またレオナは他のキャラクターに比べると性格的に他人との摩擦を避けようとするところがある。プリパラの外でスカートを履かないのも無用な摩擦を避けたいからかもしれない。ではレオナは自らのジェンダーについてどう考えているのだろうか。

 この点に関してはレオナの所属しているドレッシングパフェの歌にヒントがあるかもしれない。ドレッシングパフェは常に歌の中で「ドレスコードを破れ」「常識にとらわれるな」と歌い続けてきた。ドレッシングパフェはジェンダーや社会的規範といった「他人の考え」に縛られないチームだ(そういう意味ではドレッシングパフェのマネージャーがこれまでそふぃを雁字搦めにしてきたウサギなのは大いなる皮肉であるとも言えるかもしれない。まあ、ウサギはウサギなりにそふぃのために頑張ってきたという思いがあるのだろうけれど。)(あとドロシーはもう少し他人の考えを慮って行動したほうがいいと思うな。)

 ドレッシングパフェを通してみると、レオナも人がどう思おうと自分は自分であるという考え方を持っているのだろうということが見えてくる。ドレッシングパフェの面々は、おそらく自分たちがカテゴライズされることそれ自体を拒否するのではないかという気もする。レオナが「あるがまま」と語ったのにはそういった世の中の分類に関わりなく自分は自分の行きたいように生きるのだという意味が込められているのかもしれない。

 それはそれとして、自分がレオナについての描写において一番いいなと思うのは、最初にも書いたようにレオナ自身がその性別や装いについて無用な詮索を受けたりいじられたりしないで、そういうものとして受け入れられているところだ。

 自分は幼いころにわりとスカートとか人形とか、割合に女の子的なものや可愛いものに興味があったほうで、いやもしかしたらこれは自分だけじゃなくて男の子のうちの多くが大なり小なりそうなのかもしれないけれど、自分の場合は周囲から多少奇異の目で見られようともそういうものに興味があるというということをわりと自覚して行動してたほうだったように思う(というかそうでなくても普段からわりと変わった子だと思われてたけど)。ただ、それでも女の子的なものや可愛いものを好きで居続けるのはそれなりに大変だった気がする。

 まあうちは両親が男らしさとか女らしさとか全然言わない人だったんでそのへんは大分楽だったんだけど、知らず知らずのうちに刷り込まれたジェンダーロール的なものとの葛藤なんかもあって、可愛いものを好きでいるのはかっこわるいことなのではないかという思いもあったりした。

 こういう葛藤から逃れられるようになったのは、CCさくらのころに自分がオタクだと自覚して、オタクだから可愛いものが好きなのも当然だとある意味で開き直れるようになってからかもしれない。

 今まであんまり意識してなかったけど、そういう点では自分はわりとオタクという属性(と、さくらちゃん)に救われていた面があるのかも。少なくとも自分が女の子向けの番組を屈託なく見られるようになったのは、間違いなく自分がオタクであると自覚してからのことだし。

 自分はオタクだからいくつになってもアニメを見続けることも、女の子向けの可愛いものを好きでいることも全く自然なことだし、なによりも、好きなものを好きと言っていいんだっていうのは間違いなく救いだったと思う。

 で、話が大幅に脱線したけど、自分がレオナという存在を好きなのは、まったくなんの条件もなしに可愛いものを好きでいることが許されているし、自らが可愛い存在であることを許されているからかもしれない。

 自分の場合はオタクという前提をかませたうえで、自然に可愛いを受け入れられるようになったけど、できうるならばオタクになる前から無条件にかわいいを享受したかったし、そうすることが許されているレオナの存在自体が自分にとって一種の救いになっているところがあるのかもしれない。

 自分は虹色にのの夢のエピソード(ライダーや戦隊ヒーローが好きな女の子が好きなものを好きでなくなる話)はあまりピンとこなかったのだけれど、あれを性別反転したらめちゃくちゃ刺さりまくるんじゃないかという気がする。パックに夢を食われてプリキュアに興味をなくした男の子が、自分の好きを取り戻す話とか絶対泣く自信があるね。

 そういう意味で、本来女の子の世界には立ち入ることさえ許されないはずのレオナが、当たり前のようにプリパラでアイドルをやっているということ自体が自分にとっては一種の救いであったのかもしれないということ。そして、自分と同じように可愛いものが好きな男の子にとっても救いになっていたらいいなあと思ったりする。

 

おわりに

 

 最初はそんなに書くこともないだろうと思っていたのに、思いつくままに書いていたらなんかクソ長くなった上にどんどん収集がつかなくなって行ってしまってどうしたもんかと思った。レオナに対する感情が書いていくうちにひたすら重くなっていくし……。

 普段100文字しかものを書いていないので、100文字を超えると途端にあちこちにアラが出るなって感想。

 とりあえずプリパラ面白いのでまだ見たことない人はぜひ見ましょう。全部でたったの180話くらいなので不眠不休で4日間見続ければ完走できます。大丈夫、できるできるできる。