10月までに終わったアニメの感想。前回はこちら 。
夏アニメの感想を書こう書こうと思っているうちに秋アニメが終わりつつある。
神クズアイドルとルミナスウィッチーズが面白かった。
見ていたアニメ
『はたらく魔王さま!!』
原作がそれなりに過去の作品なので当時の空気感みたいなものが色濃く残っていて、独特の価値を生み出している作品に仕上がっていたように思う。極度に時事的な話題に密着した作品はいかがなものかなと思っていたけれど、却ってそういう作品はその時代の手触りみたいなものをよく記憶していて、これはこれで悪くないものかもと思わせられた。
8話、またCV東山奈央がこまくさの湯に行ってる。この頃はまだできたばっかりの施設だったのか。
9話、太陽光パネルが実験用で珍しいものというあたりにものすごく時代を感じる。お前はこの後異常繁殖して迷惑金儲け装置扱いをされる悲しい定めにあるのだ。
10話、クソ懐かしいタイプのポイントカード、まだネットカフェの利用に身分証がいらなかった時代のネカフェ難民。平成後期の風俗史を見ているようだ。
『神クズ☆アイドル』
神クズアイドルは、はめふらと同じ一迅社原作のアニメで、大まかなノリが似たところがあるなと思う。一迅社原作は一発ネタをうまく一発ネタとしてアニメにするのがうまい感じ。アイドルとそのオタクの話なので、推し武道が好きな人にもたぶん合うと思う。
7話、アンチはファンの裏返し、みたいな話なんだけど、アイドルとファンの相補関係みたいなものを描いた回だったかもしれない。大笑いしながら泣けるようないい話だったんだけど、それだけに却ってうまく言葉にできないところがある。
8話、幽霊のアサヒの全身全霊ギャグはうまいと思った。アサヒちゃんのスーツ姿がなかったのがちょい残念。
最終回、やる気のない仁淀の代役という自己認識のアサヒに対して、アサヒはZINGS3人目のメンバーだという仁淀からのアンサー。仁淀がそれなりにやる気を出して努力をしたとしても、自分がアサヒになるわけではないからアサヒの存在はこれからも必要、という答え。
『リコリス・リコイル』
ルパンとかシティーハンターみたいに気楽に見るタイプのアニメ。真面目に見ようとすると設定やストーリーの粗さに肩透かしを食らう。だけれどもリコリコ内の人間関係とか細かいところの作り込みはしっかりしているので、色々ちぐはぐな印象を受けた。
ヨシさんが自分でもDAでもなく、ミカに千束を預けた理由が、情にほだされやすいミカなら、使命そっちのけで千束をまっすぐに育ててしまうだろうと見込んだから、とかだったらだいぶエモいのになあと思ったり。実際はただの過激派教育ママだったわけだが。それでも、ミカに最初に着物選んであげたのはたぶんヨシさんだし、リコリコEDのちさたきをヨシミカにしたような日々がきっとあったはずなんだ。
ミカは曲がりなりにも親なら、千束に自分はどうすればよかったんだなんて聞くんじゃない。ただでさえ千束はいろいろ背負い込みがちな性分なんだから、その問いは最後まで自分で抱えてほしかった。でも、それを抱えきれないミカだからこそ、千束をこういうふうに育てられたのかも。
物語としては、ヨシさんにアラン機関の建前ではない、何らかの「語るべき言葉」を持たせていないと、人質としての価値がないなと思っていたら人工心臓の移植とかいう荒技で価値を持たせてきた。この辺の良くも悪くも荒っぽいシナリオ展開はこのアニメを象徴してる気がする。
11話、シャッター破って突っ込んでくるたきなに笑った。アニメかよ(アニメだよ)。冒頭のカラスマークの専用バス、もうちょい偽装とかしないのかね。あれで一応スクールバスのふりをしているということなのか。真島があまりにも金カムの都丹庵士だったので、突然乱入してきたたきなは実はヒグマだったかもしれない。
真島くんたちもヨシさんもなんだかんだでアメコミのヴィランみたいにずるずる生き延びそうと思っていたが、ヨシさんはあっさり死んでしまった。DAの制服はバレてしまったので、2期をやるとしたら堂々と新しいデザインの制服を採用できるな。
『連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ』
さいきん、WW2の大西洋の戦いで活躍した海軍婦人部隊を描いた「小鳥と狼のゲーム」を読んだので、ジニーが戦争によって社会に出ていく契機を得られた女性の姿にダブって見える。ルミナスはもちろんウィッチーズ世界の話だから、現実より女性の社会参加は進んでいそうだけど。モフィのためにルミナスで活動していたジニーが、最終的には自分がやりたいこととしてルミナスでの活動を選ぶことできちんとウィッチになるという、自己実現を描いたアニメだったかなと。
ストライクウィッチーズを全然見てないでルミナスを見ているからあれなんだけど、ダイナモ作戦とかウラル以東への疎開とかのWW2なトピックが踏まえられているので、あの時代の物語なんだなあという感じが強くする(日本が灯火管制してなかったりとかの違いもあるけど)。
EDの世界地図、主要登場国以外は名前が変わってないので、ちょっと設定の作り込みの粗さを感じたりする。
6話、前半は重くなりすぎないようにマリアの心情表現に新房風の演出をピンポイントで入れてる感じか。マナの無垢さが飛行に自信のないマリアをどんどん追い詰めていくのはなかなか迫力があってよかった。マリアはロンメルの道案内をして昇進したのね。
11話、ずっと誰かのために動いていたジニーに初めて「自分のこと」を考える時間ができて、そのことに戸惑っていた(からとりあえず他人の手伝いをして心の整理をつけていた)とも言えるか。列車での乗客とのやりとり、ちょっとチャーチルの映画を思い出すな。
最終話、予定調和的ではあるけど、大団円で良かったと思う。一番の当事者なのに他人事っぽいエリーが面白い。
『よふかしのうた』
1クール通してみてもいまいち掴みどころがないような感じ。社会からちょっと外れかかってる人と、完全に外れようとしてる主人公の交流を描いた話、になるのかな? 完全なアウトサイダーに見える吸血鬼の中にも社会があって、そこからも外れかかっているアウトサイダー中のアウトサイダーみたいなヒロインと、学校という社会に参加できなくなった主人公との交流が一応の話の主軸になるのだろうか。
主人公が常識と非常識の両方の感覚をフラットに見られる立場にいるおかげで、所属しているコミュニティに居づらさを感じている人に対して新たな視点を提示してみせる話かも。
終盤に出てきた探偵さん、一人だけ平野耕太世界から出張してきてない?
8話、吸血鬼女子会。文化の違いという感じ。やっぱりなずなちゃんみたいなミステリアスガールは社会不適合者なんだな、という。
9話、吸血鬼としてまともに生きることに少し息苦しさを感じているセリに対して、人間としてはちょっと外れたところにいる夜守が吸血鬼の常識を少し揺さぶることで、セリのわだかまりを解く話かな。人と吸血鬼の違いはあるものの、構図としては6話の清澄と一緒。セリも清澄も、真面目すぎて視野が狭くなっていた。
10話、最後の写真一枚で物語がすっとまとまる感じはけっこうよかった。視野の広がり、格好をつけない自然体の自分の肯定、そういうのを一枚で全部説明してる。
『メイドインアビス 烈日の黄金郷』
やむにやまれぬ村焼き。メシ食いながら見るアニメじゃねーなと毎週メシを食いながら思っていた。