最近見ていたアニメ(2022年3月)

 おおむねシリーズ後半の感想など。前半の感想などは前回のこちらの記事で。

 

『ミュークルドリーミーみっくす!』

 ゆにが象徴的だったけど、敵と味方に判然と分けられない感じはなんていうかGレコや∀あたりの富野アニメっぽさを感じなくもない。

 最終回総集編はなかなか斬新すぎる構成。3年目もやりそうな気配があったけど特にそういうわけではないのか。

 アクムー様はオモロー様になっても相変わらず影が薄い。敵役としてはゆにとアッキーのキャラクターが強すぎて、アクムー様は可愛いのにいまいち活躍しきれなかった感じがあった。

 

シンカリオンZ』

 オチは前回のカイレンと一緒かよ。なんとなく盛り上がらないまま終わってしまったなあという気がする。アブト周りのストーリーに時間を取りすぎた感じもあるし、テオティ上層部がタカ派ぞろいでビャッコたちのようには親しみを覚えにくい存在だったのもあると思う。たくさんいるキャラクターもちゃんと活かしきれたとはいい難い感じがするし、全体にちょっとイマイチだったかなあ。

 

『スローループ』

 恋ちゃんはあんなにクールでけだるげな顔と声色してるのに親切&世話焼きなので、見てると脳がバグりそう。

 きらら版釣りバカ日誌。今期一番気に入ったアニメかも知れない。気楽に見えるアニメのわりに扱ってるテーマは実はわりとヘビー。むしろこれだけヘビーな話を重さを感じさせずに見せてしまう手際が見事というべきか。

 やくもとスローループ見ると、やくもは課題に対して自己と向き合うことで解決しようとするのでストイックになりがちで、スローループは問題に対してコミュニケーションの中で解決策を探っていくアプローチだなあと思う。

 基本的に家族の話なんだけど、昭和的な家族主義とはちょっと違って、自分たちで話し合って新しく形成していく家族の話なので、自立した個人が構成する最小単位の社会のスタートアップを見ている感じがある。海凪家以外でも、成長に伴ってこれまでの人間関係を見直して、より良い形に再構築していこうとする試みが随所に見られる。吉永父娘とか二葉の周囲との関係とか。なんとなくあるわだかまりを解きほぐしていくような話が多い感じ。あと百合度が強い。

 7話。サブタイの結婚式というのはAパートのことかな?

 8話。無口だし無表情だし何考えてるか分かんないというひよりの祖父評、おまいうにも程があると思ったらちゃんと突っ込まれるの巻。山ほど果物買ってきて来たり、母が料理しようとするのを露骨に不安がったりする祖父、今回のゲストヒロインかも。

 9話。「家出して来たよ」から話が始まるの釣りバカ日誌っぽくて好き。「恋ちゃんも行くんだから」であっさりほだされるのちょろすぎて可愛い。怖い話が本当に怖い話だ。

 11話。恋ちゃんの多面性をひたすら掘っていく回。弟の面倒は見なくちゃだし、友人も大変な状況で気がかりだしで、いつの間にか「大人」の役割を引き受けてしまっていたことに気付いた恋ちゃんがほんの少しわがままに振る舞ってみようとするお話かなこれは。

 一花さんは草や木になりたいとか言っている場合ではない。自分も百合の当事者であるという自覚を持つべき。

 吉永母、確定情報ではないと分かっているやまひー母の再婚話をあえて確定情報として娘にリークすることで、なし崩し的にやまひーの同意を取り付けて再婚話を前に進めるというアメリカの情報機関じみた策を講じていた可能性が出てきたな。なんだかんだで世話焼きなところは似たもの母娘という感じがする。

 12話、無意識に贈られる婚約フライとこれからの記憶を共有していく家族の象徴になるアルバム。対象的な意味を持った二つのプレゼントが三人の関係性の微妙な違いを示していてよい。


ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

 原作読んでるから知っている話ではあるのだけれど、ジョジョ原作は6部あたりからシリアスとギャグの境目が見分けにくくなってきていて、単にキャラクターの異常性を強調しているのか、ギャグとして笑わせようとしているのか一見区別がつかないことがちょいちょいあった。FFの水が増えて喜んでいるシーンとか、神父様がさくらんぼ結ぶシーンとか。アニメはそのへんをわかりやすく演出してくれているのでとても見やすい。神父様、意外とコミカルな人物だったんだな。


『その着せ替え人形は恋をする』

 フラワープリンセス烈の主人公はちゃんと(ちゃんと?)丹下桜呼んできてるんだな。

 9話。心寿郎、お前もコスプレイヤーにならないか?回。やりたいことのために一歩踏み出そうとする人と、それを後押しする人と、踏み出した人を全力で肯定してくれる人と。登場人物がみんな最高に素敵。こういうお話を永遠に摂取し続けたい。

 喜多川さんの、コス衣装についてなんか賢そうなことを言おうとするときは語彙力ヤバヤバのヤバなのに、心寿のコスを褒めるときはすらすらと言葉が出てくる対比もいい。

 11話。雰囲気に流されるというのはこういうことだ、ってのをとても丁寧にやってる。これは委員会も満場一致ですわ。

 12話。喜多川海夢、即オチ2コマの女すぎる。夏祭りの花火の場面、喜多川さんの行動力こそが五条くんを外に引き出して、さらにはこの物語全体を引っ張って行った原動力だったんだなっていうのをしみじみと実感させるシーンだった。

 

『明日ちゃんのセーラー服』

 面白いアニメだと思うし原作も何冊か買ってしまったけれど、全体に舞台設定が雑なので、その雑さ加減が所々でクリティカルに物語に響いている。例えば11話の廃校の話なんかは、地域の過疎設定が雑なせいで廃校する寂しさみたいなものがどうにも上滑りしてしまう(何ならあの理事長に言ったら学校ごとお買い上げして小学部作ったりするんじゃないのくらいまでは思う)。たぶん作者は高齢化と人口減少が厳しい限界集落を描きたいわけではなくて、桃源郷に学校を作りたかっただけなんだろうなという感じがする。そういう部分で手放しで好きとは言いにくいところがある。

 7話。ギターを練習する話。蛇森さんのやる気ゲージが周囲の子たちに影響されて激しく乱高下するのが見ててたのしい。そこでスピッツのチェリーが出てくると思わなかった。見ながらつい一緒に歌ってしまう。

 戸鹿野さんのコミュニケーションの緩急の付け方はダイナゼノンの夢芽に似た雰囲気がある。ふだん感情をあまりはっきりとは表に出さない分、一発の笑顔の破壊力が大きい。
 いろいろな場面で戸口が印象的に使われている。開いていても閉じていても戸口の向こう側は違う世界。扉越しに知らない友人の姿を見つけたり、向こうで頑張る人たちの姿を垣間見て、影響されて、自分でも意を決して教室の戸を開けたり、やっぱりだめだとケースの口を締めたり……。

 8話。新型機(夏服)ロールアウトなので実質ロボットアニメだなと思ったらコンテが長井龍雪だった。Cパートでハンガーに主人公機2機が並ぶ構図は完全にロボットアニメだったな(ぐるぐる目)。

 物語は冒頭のテストの結果発表、セーラーを賭けた競泳、今回のテストは良くなかったけどノートがきれいな龍守さん、と勝負についてフォーカスを当てた回。相手がいるから勝負できるし、しなくてはならないし、とはいえ負けたからと言ってその人が劣っているということではない、というおはなし。

 9話。田舎では休日にみんなイオンモール行くらしいの回。「こんなうめえもん初めて食いましたわ」の図で笑ってしまった。小学生古城さんのいる図書館、足元の本がめっちゃカカトで蹴られてそう。安藤忠雄の設計かな?(悪口)

 11話。ぶっきらぼうな鷲尾さんのキャラクターを表現するための花緒っていう感じがある。

 12話。1クールかけて人物紹介するアニメだったなあと思う。最後みんなで学校のイベントに取り組む話で終わる構成は古見さんと似ている。
 木崎さんが楽器に対してなんらかのためらいがあったらしいことは、小路の演劇特訓と一緒で1クール掛けて描かれていた。そんな木崎さんと仲良くなりたい兎原さんは色々と試行錯誤(した結果かえって誤解されたり)していた。兎原さんはお菓子づくりの件とかに顕著だけれど、陽気で人懐っこそうな外見と裏腹に、コミュニケーションに関してわりと努力の人。もしかしたら一人で部屋にいるとその日の会話内容を反芻しては延々と一人反省会してしまうようなタイプなのかも知れない。


平家物語

 6話。源平合戦序盤の頼朝はどう転んでもコメディにしかならないのだろうか。

 7話。内外から批判される禿頭横暴権力者に急に時事性が出てきてしまった。ストレス解消に呉竜府もいいかもしれない。

 地震の日の平家物語はL字かなと思ったら延期だった。まあそうか。平家は一週間延命されたぞ、と思いきや翌週2話連続放送であっさり滅んでしまった。諸行無常である。

 最終回。「見るべきものは全て見た」からその目は役割を終えて盲となったのか。


『プリンセスコネクト!Re:Dive Season2』

 なんもわからんまんま終わってしまった。世界の方になんか色々からくりがあるらしいことはずっとほのめかされ続けていたけれど、結局ほのめかしただけで終わってしまうとは。