プリティーリズムレインボーライブ見たよって話

激しいアニメだった。

キングオブプリズムSSSがTVで放送されるのと、おそらく今年のプリチャンのゲストとしてなる店長が出てくるだろうという予想からそれらの予習も含めて見たわけだけれど、嵐のようなアニメだった。

序盤からヤスリで黒板を磨くようなギスギスした展開の連続で、見ているこっちのメンタルがガリガリ削られていくので、最初の1クール目で3回くらい挫折した。

メインキャラクターの女の子6人のうち、主人公チームのなるとあん、それにライバルチームのおとはあたりはまあ一応女児アニメっぽいキャラクター(いやそもそも女児アニメっぽさってなんだ?)なんだけど、残りの3人がいろいろと家庭事情の業を背負ってるせいでぐんにゃりと性格がねじ曲がっている家庭事情組で、女児アニメ組に対して家庭事情組が必要以上にきつい当たり方をするという厳しい展開。お前らそれただの八つ当たりじゃないのかと。特に1クール目は家庭事情組の家庭事情があんまり詳らかにされないので見ている側としては彼女たちの行動がひたすら理不尽で不快なものにしか映らず、それをただ耐えるしかない。いやーつらい。

つらいつらい序盤を乗り越えると、少しずつ家庭事情組にも変化が現れて、女児アニメ組と和解を果たし、やがてはそれぞれの家庭事情を解決していくので、序盤を乗り越えればそれなりに安心して見られる。

まあ、それ以外にもサブキャラクターとして男子3人(内訳は家庭事情2人、男児アニメ1人)のごたごたや、プリズムショー運営側の人々の確執なんかもあったりして、徹頭徹尾人間関係って難しいねってアニメだったんだけど、見てて気づいたのは、これってプリパラ2期とわりと共通点や似ている部分が多いということ。むしろ、プリパラ2期はレインボーライブを元にしてレインボーライブとは別の解を求めようとした作品だったのではないかと思うようになった。

プリパラ2期がレインボーライブから直接影響を受けたと考えられる主な要素は次の5つ。

  • あろまとわかな
  • ふわりとおとは
  • 地下パラとプリズムストーン
  • セレパラとエーデルローズ
  • ひびきさまとべる、ヒロ、法月仁

順に見ていくと、まず、あろまとわかなはそれぞれ悪魔や猫といった(やや意地悪な性格の)役割を演じることで内気な本心を隠して他者と関係を構築しているという点で共通している(ついでに誕生日も6/6と6/5で1日違い)。両者とも親友との絶交と和解というエピソードを持っているのだけれど、その際に自分と親友が一緒に描かれた絵または一緒に写った写真を自分で破いて捨てることで絶交を意思を表明し、親友が破かれた絵または写真を探し出すことで和解につながるという共通点もある。

ふわりとおとはは両者ともに性格が度を越して斜め上にファンタジー。かつひびきさまやべるといったストーリーの中心となる悪役をサポートする役割をもっているという点で共通している。

地下パラ対セレパラの構図はプリズムストーン対エーデルローズから。これに気づいたのは終盤でプリズムショーの最中にすっ転ぶプリズムストーンのなるの姿が地下パラでデビューライブをしたときのガァルルの姿そのものだったことから。なるもガァルルもお互いにショーやライブに最も不向きな状態だったにもかかわらず、諦めずに最後までやり通す姿を見せることで観客の共感を得た。地下パラやプリズムストーンの目指すライブやショーが必ずしも芸術性や競技性を求めるものではないのに対して、セレパラやエーデルローズは純粋に芸術性や競技性を目的としてライブやショーをしているという点でそれぞれ共通している。

最後にひびきさまとべる、ヒロ、法月仁。プリパラ2期がレインボーライブの焼き直しとも取られかねないような要素を並べて話を作ったのは、全てはひびきさまというキャラクターを描くことで、法月仁(に相当するキャラクター)を救済しようとしたためなのではないかと思う。レインボーライブにおいて、その歪みの原因を視聴者が共感できる形できちんと解き明かされず、贖罪や救済の機会が与えられなかったのは法月仁だけなので(まあそのおかげで続編のキングオブプリズムからSSSに至るまで愛すべき悪役として活躍しているわけでもあるのだけれど)。

レインボーライブにおいて法月仁はラスボスになり損なったキャラクターである。彼は主人公たちとは世代と性別を異にするために直接対決できず、さらにはジュネのもたらした世界の危機によって物語の中心に居続けることもできず、中途半端な状態で物語の外に放り出されてしまった。そこで、法月仁にべるやヒロの要素を混ぜて彼の世代と性別を主人公たちと直接対決できる程度には近しいものにし、なおかつ彼自身に世界の危機を引き起こさせることで最後まで物語の中心に据えたものがプリパラ2期だったのかもしれない。

ひびきさまのイガイガムシは最後はガァルルが引き受けた。ガァルルはセレパラと地下パラの関係から考えると、レインボーライブの主人公のなるに相当する役割を持ったキャラクターなので、プリパラ2期をレインボーライブの別解としてみると、最後はなるが仁の歪みを全力で受け止めたことになるのかなあと思ったりもする。

まあ、プリパラとレインボーライブしか見てないで考えたものなので、レインボーライブ自体もオーロラドリームやディアマイフューチャーを参照している麺があるのかもしれないけれど。

実はあじみ先生に相当するキャラクターがレインボーライブにいないかと思って探したんだけど、プリパラ2期の新キャラのうち、あれだけは該当するものがないみたいだった。

 

そういえばキンプリのおかげで「オバレの結成まででいいからレインボーライブを見て」という言い回しを覚えた。

プリパラ未見の人はエヴァーゴールド結成まででいいからプリパラを見てください。

 

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おまけ、四谷信金は宝くじ売り場になっていた。